tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

軍隊と警察

2014年08月26日 09時56分10秒 | 国際政治
軍隊と警察 <2009年3月11日付のリメイク版>
 軍隊と警察はどう違うのでしょうか。
 
 軍隊は国と国との争いに備えるもので、一旦争いになれば出動して国のために戦うというのが昔から多くの人が認識している使命でしょう。
 国と国との争いですから、どちらが正しいとは中々決まりません。たいていは勝ったほうが正しいということになるのでしょうか。
 
 これに対して警察は、国の中で、国の定めるところに反するものがあれば、それは犯罪行為として取り締まるのが役割でしょう。したがって、どちらが正しいかはおのずから決まっていて、国は正しく、犯罪者は悪いのです。

 かつて、ソマリア沖の海賊対策に複数の国が軍隊を派遣し、日本も自衛隊が出動したと 記憶します。あれは本来、警察行動であるべきだと書きました。
 今、シリア、リビア イラクなどいくつかの国で内戦があります。国の警察活動で収拾できなくなったものを内戦というのでしょうか。
 内戦ですから、その国の中で解決出来ればいいのですが、多くの場合、いろいろな理由で外部の国が口出し、手出しをします。

 その場合も、内戦の仲裁のような仕事をして、何とか収めるのではなく、内戦のどちらか一方を援助する場合が殆どです。もう一方の側を援助する国が出てきたりもします。手は出さないが、カネを出したり、武器を売ったりして商売をする国も出てきます。

 国と国との戦争の場合もそうですが、内戦の場合も、どちらが正義かと決められません。双方がそれぞれの正義を掲げるのです。
 冷静に考えれば人類として実に情けない状態ですが、現状ではこれを合理的に解決する方法はないのです。

 翻って国の状態が正常な場合は、警察が問題を解決します。アメリカではミズリー州で、警官のやった事が非道だと混乱が起きていますが、結局は国が正邪の判断をするでしょう。

 国と国の戦争、国内で解決がつかない内戦といった問題を解決するには、国よりも一段高い統治組織があって、それが正邪の判断をして、収めればいいのでしょうが、今の世界ではそれが出来ていません。

 本来そうした役割を担うのが国連でしょう。国連が人類社会の代表として、正当性を確立し権威と力を持った国連警察が解決するというのがベストでしょう。しかし、現状では国連そのものが、国と国との対立の場になっているのが実態です。

 折角世界中が合意して国連というシステムを作りながら、今の人類にはそれを有効に機能させるだけの能力がないのです。
仏作って魂入れず、どころではなく、自動車は買ったが運転が出来ないといった方が適切かなと思われるような、本当に情けない状態です。

 国連中心を標榜してきた日本ですが、最近、紛争のどちらかに肩入れしようという人類社会の進歩に逆行するようなことになりそうな情けない選択が進んでいて心配です。


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